2010年6月10日木曜日

危機一髪(ぱつ)1

たった一人で山に入り、
「あそこの向こうはどうなっているのだろう」と
向こう見ずに道なき道を 未知との出会いを
期待しながら歩くのが好きです。

きのうの午後、それも結構遅く、
水源の「奥の沢」から 右手の 
もの凄い急斜面(しゃめん)を登り始めた。
目的はただ 尾根(おね)の上とその向こうが
どうなってるかを知りたいだけ。

細い木々にしがみつきながら あえぎあえぎ
何とか尾根にたどりつく、うれしい。

尾根は意外に広く 
ことのほか、傾(かたむ)いた赤い
太陽を通す森の姿がとても美しい。
尾根とは たとえれば馬の背であり、
馬の腹は それへといたる谷からの斜面です。

尾根に着いて見ると今度は 馬の頭の方の
山の頂上を目指(めざ)したくなります。
「頂上までは今日は難しいな、ムリはしない方が
いい」と自分に言い聞かせつつも 登り始めたのである。
しばらく登るにつれて「あ、ヤッパリここは
天王山なのか」と納得(なっとく)する。

天王山と言うのはしばらく前 
別ルートから よく一人で登った山です。
ここまでは人の伐採(ばっさい)も入らず 
この近辺では極めて貴重な原生林があるのです。
「なつかしい原生林が見えて来た、嬉しい!」

しかし何と 嬉しいのはここまでだったのです。

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